部員ブログ「やり切る」 福山悠樹

まえがきを本文完成後に書いているわけだが、正直このブログを書くにあたってめちゃめちゃに悩んだ。悩みに悩んで考えに考えた末何とか書き上げたわけだが、一つ言えるのはこれほど拙いという言葉がぴったりな文章はなかなかお目にかかれないということ。自分が一番驚いているが、こんなにも文章を書く能力が無かったんだと。恥ずかしながら自分は文章が書ける方だと今までも今でも思っているが、今回のはひどい。自分の気持ちというものを言語化する能力が著しく乏しいみたいだ。又は、それ以前に頭の中に混在する考えを全く整理できていないのかもしれない。いずれにせよ、人間としてもサッカーをする上でも大きな問題だが、嘆いても仕方がない、向き合っていかなければいけない。ということで、このブログを自分の頭の整理、そして決意表明の場として使わしてもらった。本当に自分勝手だが、「やり切る」ことにチャレンジした結果だと正当化しておく。

大学サッカーの半分が終わり、上級生となるシーズンが始まった。

これまでの二年間はとても学ぶものが多く、自分自身とても成長できたと実感している。しかしそれ以上に、自分の弱さが露呈した二年間でもあった。

入学当初は、高校までとはレベルの違うボールスピードやフィジカル、プレーの質に圧倒されつつも、そんな環境でプレーできる喜びに浸り、純粋にサッカーを楽しんでいた。パス、ドリブル、シュートなどすべてのプレーにおいてお手本となる、目標となる選手が存在した。試合にも出させてもったことで、目標の対象が増え、練習では感じることができないプレッシャーを感じることができ、更に成長の可能性が広がったのは間違いない。自分のプレーを目の前にいる目標と比較し、反省し、修練していくことが容易な、そんな環境が常にあった。そんな環境にいたことで、大学サッカーのプレー強度を肌で感じ、不十分ではあるがそのレベルに近づきつつあると当時も感じていたし、今でもこの頃の経験が現在のプレーの基盤となっていると思う。しかし当時の自分は、そんな恵まれた環境を享受出来ていることに満足していた。能動的に何か考えて行動を起こそうとすることは無く、ただその環境に身を委ねているだけだった。試合で使ってもらっている自分に満足さえもしていた。そんな受動的な天狗に成長の余地は無い。当たり前だ。実際一年の頃は試合で使ってもらいながらも、プレーの質の低さを我武者羅さで埋めるしかない自分の現状を痛感し、とても心苦しい思いをしていた。にも関わらず、このままじゃ試合で活躍できないと奮起しようと天狗の鼻をへし折るが、二、三日たてばそんな思いも薄れる。全体練習で手を抜くことは無くても、それ以上に努力することは無かった。気付けばまた天狗がのうのうと鼻を伸ばしてる、それの繰り返しだった。そしてシーズンの最後の試合、怪我の影響もありベンチから四年生の雄姿を見届けた。いつも目の前で一緒に練習していた目標が、四年間努力を続けた先輩が、全力でプレーしている姿を見て、自分が出れなくべくして出れていない事に気付いた。環境の存在に満足し、その環境の価値を評価したことは無かった。この環境の中で自分は何ができて何ができないのか。その環境を正しく評価できていない奴が、最大限その恩恵を受けることは出来ない。そして始まった二年目のシーズン。環境に甘えない、自分を律して行動しようという曖昧な決意と共に開幕した。初めの頃はある程度順調だったかもしれない。全体練習後、グラウンドがとれていればシュート練習やパス練習をした。戦術班という環境の援助もあったが、試合の動画を見て、自分やチームのプレーを分析するという事を意欲的に行うようになった。一つ一つの練習をその意図を考え、惰性ではなく常に考えながらこなすようになった。一年間惰性で生きていた事にやっと気付いた自分が、何か変わろうと能動的に行動した結果だった。シーズンが開幕して二か月ほど、充実したサッカー生活を送り、試合でも自分で納得できる結果を残せていた。しかしそんな中、新型コロナウイルスが順調な環境を破壊していった。大きな力を持った外的な要因により思い通りに練習ができなくなったことで、自分の中のサッカー全てが停滞してしまった。自分一人でモチベーションを保つ事ができなかったのだ。甘え続けた事に気付いた今年こそは、自分は変われると勝手に思っていた。やるべき事は分かったからあとはやるだけ、簡単だと思っていた。実際、その事実に気付けたのは間違いなく大きな進歩であったが、またも満足してしまっていたのだ。自分の弱さに気付いただけで認めようとはしなかった。そんな自分に当たり前のように天誅が下る。十月にやっと始まったリーグ戦、毎試合のように足を攣った。今までのサッカー人生で足を攣ることは全くと言っていいほどなかった、のに攣りまくった。体も思うように動かせないことが多かった。あと一歩が出ない。最後にスプリントができない。そしてその度にコンディションが万全だったら、と思った。そう考えてしまうことが本当に情けなかった。シーズン開幕までの数か月、準備を怠ったありのままの結果だ。終盤戦ではチームの完成度も上がり、格上相手にもいい試合ができるようになっても、90分走り切れるほど自分のコンディションが上がり切ることは無かった。チームの結果や試合内容を見れば満足できるものだったが、自分自身のプレーには満足できなかった。とても歯痒かった。悔しかった。シンプルに自分の努力不足だと、中途半端な所で満足してしまう自分の詰めの甘さだと、やり抜くことができない自分の意思の弱さだと、痛いほどに突き付けられた。個人的な記録としても3ゴール2アシスト。到底満足できる結果では無かった。

もうこんな思いをするのは十分だ。

この二年間は本当に良い経験が出来た。あとはその経験を自分の成長に昇華するだけだ。

あとはそれを「やり切る」だけだ。

どんな環境であろうと自分自身のやることは変わらない。どんな環境であってもやるやつはやる。それには十分すぎる環境は用意されているはずだ。様々なことにフォーカスし頑張っているチームメイトと一緒に、自分も自分のやるべきことをやり切ろう。そして上級生として、今まで先輩からもらってきた環境への恩返しとして、チームのために、後輩のために、いい環境を作っていきたい。自分が「やり切る」ことにチャレンジする中で、みんなが様々なことにチャレンジできる環境を作る。背中でチームを引っ張っていきたい。チームメイトに刺激をもらいつつも、自分が一番デカい背中を見せてやる。そう強く思う。そうする中であわよくば、今シーズンのリーグ戦で「7ゴール7アシスト」。個人的な結果もついてきたらいいかなという感じ。

そして何よりも全員でサッカーを楽しむ。

やり切ろう。

九州大学サッカー部 公式ホームページ

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